【更新版】アメリカからマカオへ:旅行用 eSIM と WiFi 完全ガイド
マカオという街をひとことで
面積33平方キロメートル。ポルトガル風のタイル張り石畳、広東料理の屋台、そしてカジノタワーが肩を並べる。アメリカからの旅行者の多くは、香港観光に2〜3日の寄り道を足す形でマカオを訪れます。入り方は大きく三つ。香港からのフェリー、珠海からHZMB(港珠澳大橋)を渡るシャトルバス、あるいはマカオ国際空港(MFM)への直行便です。
ここで多くの人がつまずきます。インターネット環境でいえば、マカオは中国本土ではありません。Google マップは開くし、WhatsApp も Instagram も普通に動きます。VPN は不要です。ところが、アメリカの携帯キャリアの多くはマカオを「その他の国・地域」扱いにしていて、ここから請求額がじわじわ膨らんでいく。データ回線は現地に着いてからではなく、出発前に確保しておくべき理由がここにあります。
選べる手段は実質4つ
1. 旅行用 eSIM — アメリカからの旅行者にとっての標準解
eSIM はスマホに内蔵されるデジタルの SIM プロファイルです。搭乗前に購入し、QR コードを読み取り、マカオに着いたらオンにする。受け取るものも、返却するものもありません。
向いている人:SIM ロックが解除されていて eSIM 対応の端末を持っている人(iPhone XS 以降、近年の Samsung や Pixel の主要モデル)。アメリカで購入した iPhone 14 以降をお使いなら、物理 SIM スロット自体が存在しません。つまり eSIM は「好みの問題」ではなく、唯一の選択肢です。
ここで正直にお伝えしておきます。UROCOMM のラインナップに、いま単独のマカオ専用 eSIM はありません。 マカオ行きの方は UROCOMM の eSIM コレクション から地域別・複数国対応のプランを選ぶことになります。これはこれで合理的で、マカオと香港の両方をカバーするプランなら、まとめて旅するときに2回買わずに済みます。ただし購入前に、各プランページの対象国リストを必ず確認してください。マカオが記載されていなければ、現地では通信できません。
2. 現地のプリペイド SIM
CTM、3 Macau(SmarTone)、China Telecom Macau の各社が観光客向けプリペイド SIM を販売しています。安価で、ちゃんとつながり、現地の人も使っている定番の選択肢です。
ネックになるのは端末のほうです。アメリカで買った iPhone 14 以降には SIM トレイがありません。キャリアロックがかかった端末は、そもそも海外 SIM を認識しません。そして滞在が48時間しかないなら、そのうち1時間をショッピングモール内の CTM ショップで潰すのは、多くの人が望む過ごし方ではないはずです。
SIM スロットがない、あるいは端末がロックされている——どちらかに当てはまるなら、この先のポケット WiFi まで読み飛ばしてください。物理的に入らない SIM を無理に選ぶより、モバイル WiFi 端末を見る ほうが現実的です。
3. アメリカのキャリアのローミング
T-Mobile、AT&T、Verizon はいずれも海外向けのデイパスを用意しているか、上位プランにマカオを含めています。設定はゼロ。飛行機を降りたら、そのまま使えます。
ただし頼る前に確認すべき点が二つ。ひとつは、マカオが自分のプランの対象リストに入っているのか、それとも「その他の国・地域」として課金されるのか。この二つは別枠で、後者は安くありません。もうひとつは、1日の上限を超えたあとに速度制限がかかるかどうか。ノート PC をテザリングするなら、ここは効いてきます。ローミングはもっとも手軽な方法であり、2日を超えるとたいてい最も高くつく方法でもあります。
4. ポケット WiFi
ポケット WiFi は、バッテリー内蔵の小さなルーターが自分専用の WiFi 網を飛ばす仕組みです。スマホ、タブレット、ノート PC、同行者のスマホまで、手持ちの端末すべてをつなげられます。
家族や二人旅のとき、仕事用ノート PC を持ち歩くとき、そしてスマホが eSIM に対応していないときに効いてくるのがこれです。UROCOMM の アジア30以上の地域向け WiFi データプラン は7〜30日間で、アジアの多くの渡航先をカバーしています。マカオ→香港→中国本土と巡るルートなら実用的な選択です。アジアを超えて動くなら、110以上の国と地域に対応するグローバル WiFi 6 ホットスポット なら1台でずっと広い範囲をまかなえます。
トレードオフは、充電するものがひとつ増えること、そして出発前に受け取り方法を手配しておく必要があること。乗り継ぎを経て午後10時に MFM に着くような行程で、レンタルカウンターを探し回るのは避けたいところです。手配は自宅から済ませておきましょう。
迷ったときの早見表
| あなたの状況 | これを選ぶと失敗する | 代わりにこれ |
|---|---|---|
| SIM ロック解除済みの iPhone 14 以降、一人旅、2〜3日 | 現地 SIM(トレイがない) | eSIM コレクション の地域別プラン |
| 二人でノート PC 1台、5日間 | eSIM を2枚別々に | アジア向けポケット WiFi |
| キャリアロックされたアメリカの端末 | 現地 SIM も eSIM も不可 | ポケット WiFi |
| マカオ1日だけ、香港に戻る | マカオ専用プラン | 両方の渡航先が記載されたプラン |
| ビデオ通話が多い出張 | ローミングのデイパス | データ容量の大きい WiFi ホットスポット |
着陸前に eSIM を有効化してはいけない
これが一番お金を損するミスなので、はっきり書きます。
eSIM の有効化は多くの場合、プランの有効期限カウントを即座にスタートさせます。ネットワークに接続した瞬間から、です。オハイオの自宅リビングでスイッチを入れると、二つのことが起きます。まだ荷造りの途中なのに日数が削られていく。そして、プロファイルが海外ネットワークにつかまろうとすれば、使い始めてもいないプランに対してローミング課金が上乗せされる可能性がある。
正しい手順はこうです。出発前に eSIM はインストールだけ済ませ、オフのままにしておく。MFM に着陸し、入国審査を通る。空港の無料 WiFi につなぐ。それから eSIM をオンにして、マカオのネットワークに登録させる。ポケット WiFi も同じルールで、搭乗口ではなく着陸後に電源を入れます。画面付きの手順が欲しい方は ハウツーガイド にステップごとの解説があります。
実際に消費するデータ量の目安
あくまで概算で、使い方によって変わります。
- 軽い日 — Google マップ、WhatsApp、写真を数枚、営業時間の確認程度:およそ300〜500MB
- 普通の観光日 — 地図、SNS のタイムライン、短い動画を少し、写真のアップロード:おおむね1〜2GB
- ヘビーな日 — YouTube、Instagram のストーリーズ、家族との FaceTime、ノート PC のテザリング:3GB 以上
普通に使って3日なら3〜6GB の範囲に収まります。仕事でノート PC をテザリングするなら、倍では足りないと思ってください。データを食うのは動画です。前夜にホテルの WiFi で見たい番組をダウンロードしておけば、プランの残量はほとんど減りません。
電波事情と、見落とされがちなマカオの周辺
マカオの市街地——マカオ半島、タイパ、コタイ——は建物が密集し、4G のカバレッジは充実しています。主要ネットワークでは 5G の展開も進んでいます。ホテルでもカジノでも、主要な観光ルート沿いでも、電波に困ることはまずありません。
弱くなるのはコロアン島の南端、ハイキングコースやハクサ(Hac Sá)方面のビーチ沿いです。ここで強い電波を当てにしないこと。トレイルを歩く予定なら、出発前にオフライン地図をダウンロードしておきましょう。電波はネットワークごとに違うので、「この地点なら何本立つ」と断言はしません。断言する人は、推測しているだけです。
もう一点。日帰りで珠海に渡れば、その時点でマカオのネットワークを離れ、グレートファイアウォールの内側に入ります。Google、WhatsApp、Instagram は使えなくなります。マカオのプランは国境を越えてはついてきません。珠海を旅程に入れているなら、出発前に アメリカから中国へ:旅行用 eSIM と WiFi ガイド を読んで、中国本土対応のプランか VPN を前もって用意しておいてください。
逆に、旅の大半を香港側で過ごし、マカオは日帰りで済ませるなら アメリカから香港へ:旅行用 eSIM と WiFi ガイド をどうぞ。準備の考え方はほぼ同じで、地域別プラン1枚で両方まかなえます。プランの違いについての背景は eSIM ガイド と WiFi ガイド にまとめてあります。
よくある質問
マカオで VPN は必要ですか? 不要です。マカオは中国本土とは別のインターネット網を運営しており、本土のようなフィルタリングはありません。Google、WhatsApp、Instagram、アメリカのニュースサイトも普通に開きます。VPN が要るのは中国本土に入るときだけです。
アメリカのスマホでマカオの eSIM は使えますか? 判断材料は二つ。端末の SIM ロックが解除されているか、そして eSIM に対応しているか。iPhone は XS 以降、Samsung と Pixel は近年の主力モデルなら対応します。端末がロックされている、あるいは eSIM 対応が限定的な旧モデルなら、スマホを買い替えずにポケット WiFi で解決できます。
マカオの eSIM は香港でも使えますか? 場合によります。そのプランに記載された渡航先次第です。マカオ専用プランは国境で止まります。マカオと香港の両方が記載された地域別プランなら、フェリーの上でもつながり続けます。購入前に必ずプランページの対象国リストを確認してください。
マカオ空港で SIM は買えますか? MFM にショップはありますが、営業時間が深夜到着と噛み合わないことがあります。すでに手配済みの eSIM か WiFi 端末があれば、その賭けを丸ごと回避できます。
出発前にやること
自宅から設定を済ませ、入国審査を通過するまではオフのままにしておく。そして、自分の旅の形に合ったプランを選ぶ——スマホ1台の一人旅なのか、ノート PC を抱えたグループなのかで答えは変わります。スマホが eSIM に対応しているなら、まず UROCOMM の eSIM コレクション をのぞいてみてください。対応していない、あるいは4台の端末でデータを分け合いたいなら、ポータブル WiFi プラン が向いています。いま2分かけて選ぶことが、午後11時の空港ショップで慌てる30分を消してくれます。