UROCOMM vs Airalo:アジアで使うeSIMはどっち? 日本人旅行者向け徹底比較 はじめに アジアの旅で何よりも頼りになるのがデータ通信。eSIMなら現地でSIMカードを探す手間もない。しかし、いざ選ぼうとすると「UROCOMM」と「Airalo」の違いに戸惑う人も多いはず。結論から言うと、どちらかが絶対に優れているわけではない。ルートや用途によって最適な選択肢は変わる。Airaloは圧倒的なカバレッジと快適なアプリで「とにかく手軽に」という旅に。UROCOMMは主要国での通信速度と、人間による迅速なサポートで「実質的な安心」を求める旅に向いている。とはいえ、数字の上では大きな差が出ている点もある。ここから具体的なデータをもとに検証していく。 アジアのカバレッジ:国別の実力 日本 UROCOMMはNTT DocomoとSoftBankに接続する。テストでは地方でもDocomoの安定した4G/LTEに掴まる場面が多く、一部プランでは5Gも利用可能。一方、AiraloはKDDIやSoftBankを使う都市型プランが多い。混雑時には容量を確保するため、速度の遅い提携網へ切り替わることも確認された。都市部での利用ならどちらも問題ないが、地方へ足を伸ばすならUROCOMMの方が信頼できる。 タイ タイではUROCOMMがAISとTrueMoveに接続する。バンコクとチェンマイでの計測では、安定して20〜40Mbpsの下り速度が出た。しかも、大容量プランでは意図的なスロットリング(速度制限)を感じさせない。AiraloはDTACとTrueMoveを使う。カバレッジ自体は良好だが、一部の「ハイスピード」プランで動画が480pに制限されるという報告が旅行者フォーラムで上がっている。購入時にこの条件が分かりにくい点は要注意だ。 韓国 韓国ではUROCOMMがSK TelecomとKTに対応。セットアップは即座に完了し、速度も現地のポストペイド契約と肩を並べる。さらにSNSデータが無制限になる韓国専用プランも用意されている。AiraloはSK TelecomとLG U+に接続する。機能面では十分だが、テスト中の1回、APN設定ミスによって約30分の通信断が発生した。レアなケースとはいえ、旅行中の突然の通信不能はストレスになる。 その他のアジア 純粋な「国の多さ」ではAiraloが圧倒する。200以上の国と地域でプランを提供しており、ミャンマー、ラオス、モンゴルといったニッチな国も数回のタップで見つかる。UROCOMMは80以上の目的地に絞って品質を磨く戦略だ。アジアの主要都市はほぼカバーしているが、珍しい国を複数回る場合は専用プランが見つからないことも。そういう目的地が含まれるなら、先にAiraloを確認するのが確実だ。ただし、UROCOMMがカバーしている国に限れば、提携ネットワークの選定が厳格で、速度テスト済みという強みがある。 → 次の目的地が一覧に見つからない場合は、UROCOMM eSIMプランを確認してみてほしい。eSIM非対応のスマホなら、UROCOMM ポータブルWi-Fiという選択肢もある。 データ速度:実際のスループット比較 ナビやビデオ通話、写真のアップロード——速度は旅の質を左右する。そこで同じ場所・同じ時間帯にOoklaを使って計測した。下の表は日中時間帯、4G/LTE(5G対応時は5G)での中央値だ。
テスト地点 UROCOMM(下り) Airalo(下り)
東京・渋谷スクランブル交差点 58Mbps(Docomo 4G) 29Mbps(KDDI 4G)
バンコク・スクンビットソイ11 42Mbps(AIS 4G) 18Mbps(DTAC 4G)
ソウル・明洞 73Mbps(SKT 5G) 48Mbps(SKT 5G・1GB超で減速)
UROCOMMの優位性は、明示的に「capped」と表記されたプランを除き、高データ量プランに一律の速度制限をかけない方針から来ている。現地キャリアが提供する速度をそのまま受け取れるのは、実測データからも明らかだ。Airaloの「高速」プランも確かに速い。ただ、一部の無制限プランでは1〜2GB/日のデータを超えると減速する条件が付く。これは業界では一般的だが、UROCOMMの方が透明性が高い。 大容量の通信を必要とする人——NetflixのHD視聴やZoom会議、大きなファイルのアップロード——にとって、この差は体感できるレベルだ。 カスタマーサポート:応答時間と質 深夜の空港でeSIMがつながらない。そんなときに求められるのは、いかに早く確実なサポートに繋がるかだ。同じ質問を両社のプライマリーなチャネルに送って計測した。 UROCOMM ウェブサイトまたは購入後のポータルからアクセスできる24時間・年中無休のライブチャット。3回のテストすべてで初回応答は3分以内。担当者は明らかに人間で、ネットワーク別のAPN設定にも詳しい。2つの問題は手動ネットワーク選択の案内で10分以内に解決。残り1つもチャット中に先方でプランリセットを実行し、そのまま解決した。 Airalo サポートは主にアプリ内のチャットボットが担当し、必要に応じて人間に引き継がれる。ボットの初回応答は即だが内容はテンプレート的。人間が対応するまでの待ち時間は15〜45分。一度繋がれば担当者は有能で、実際に問題も直る。しかし、往復のやり取りを含めると初回連絡から解決まで1時間以上かかった。Airaloには詳細なFAQやコミュニティフォーラムもあり、待たずに自力で解決できるケースも多い。 ストレスを抱えているときにボットと格闘するのは避けたい。その点でUROCOMMの直接サポートは、圧倒的に速い。Airaloのサポートも悪くはないが、旅行のピークシーズンには忍耐が必要になる。 料金とプラン:コスパ比較 短期旅行で複数のアジアを回る場合の地域プランと、単国プランの代表例を比較してみた。
プラン(アジア) UROCOMM Airalo
地域:7日・3GB $9.50(12ヶ国) $10.00(Asialink・11ヶ国)
地域:15日・5GB $15.00(制限なし) $16.00(2GB/日で減速の可能性)
日本:8日・3GB $7.00 $6.50
タイ:10日・無制限 $12.00(最初3GBが全速、その後1Mbps) $11.50(最初2GBが全速、その後512kbps)
韓国:7日・5GB $10.00 $9.00
※無制限プランには常にフェアユースポリシーがある。減速後の速度はUROCOMMが1Mbps、Airaloが512kbps。地図やメッセージの利用を考えると、1Mbpsの方がはるかに実用的だ。 単国プラン、特に韓国ではAiraloがわずかに安い。しかしUROCOMMの料金が一〜二ドル高い分には、減速後の速度が高いこと、そして動画のサプライズ制限がないという安心が含まれている。多くの国を飛び回り、データ量を節約したいならAiraloの広さと価格優位性は魅力的。性能を重視するなら、その差額は十分に元が取れる。 メリット・デメリット UROCOMM - メリット - Docomo(日本)、AIS(タイ)、SK Telecom(韓国)での速度が抜群に速い - 速度ポリシーが透明。動画のサプライズ制限がない - 人間による24時間365日ライブチャット。応答5分未満 - 無制限プランの減速後速度が高い(1Mbps vs 512kbps) - eSIM非対応スマホでもポータブルWi-Fiで利用可能 - デメリット - 対応国数が80ヶ国にとどまる(Airaloは200ヶ国以上) - 一部の短期地域プランで割高感がある - ウェブサイトは機能的だが、Airaloのアプリほど洗練されていない Airalo - メリット - 200以上の国と地域でプラン販売 - アプリが使いやすく、トップアップや複数eSIM管理が簡単 - 小型のデータパックや単国プランで価格競争力がある - デメリット - 速度制限の条件が明確に表示されないケースがある(例:動画480p) - サポートがボット経由で、人間に辿り着くまで時間がかかる - まれにAPN設定で通信断が発生 結局、どちらを選ぶべきか 「速さ」と「確実なサポート」を天秤にかけるなら、UROCOMMに分がある。特に、日本・タイ・韓国に長く滞在し、動画や通話を多用するなら迷う必要はない。逆に、ベトナムからミャンマー、ラオスへと移動するような「マイナー国マラソン」型の旅なら、Airaloのカバレッジが心強い。だが、実際には、どちらのブランドを選ぶか以上に、プランごとに異なる「減速条件」を事前に読むことが旅の快適さを決める。Airaloを選ぶ場合も、その条件を必ず確認してほしい。UROCOMMを選ぶ場合、UROCOMM eSIMプランの説明文をチェックして、自分の使い方に合ったプランを選ぶことが大切だ。どちらにせよ、出発前の5分間で「毎日何GB使うか」「動画の解像度はどこまで許容か」を決めておく。そのうえで、自分が最も長く滞在する国を一句覚えておくことと、現地で困ったときの連絡先を一度確認しておくことが、アジア旅行の通信で失敗しない最小限のコツだ。